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2026年05月28日

世界を知るほど、半径30センチが愛おしくなる|韓国AROMA EXPO 2026で感じたこと

【展示会、見本市】

Aroma Expo2026
― 韓国「AROMA EXPO 2026」で感じたこと ―

4月初旬、韓国で開催された
AROMA EXPO 2026 に参加してきました。


 
□AROMA EXPOとは?



「Asia Aroma Conference」(AAC)と
「Asia Aroma Ingredient Congress & Expo」(AAIC)
の2つのパートで構成される、


アジア・オセアニア地域最大級の
アロマ・天然原料・ウェルネス分野の国際イベント


AAC(アジア・アロマ国際会議):
専門家や研究者による学術講演や
最新の研究発表が行われる国際会議



AAIC(アロマ・インターナショナル・エキスポ):
原料・精油メーカーやブランド、
研究機関が一堂に会する
国際展示会兼ビジネスフォーラム







少し時間が経ち、細かなプログラムの記憶は


少しずつ薄れてきたものの、
不思議と心に残っている感覚があります。


それは、
「世界を知るほど、
半径30センチの暮らしが愛おしくなる」

という感覚です。

今日は、韓国で見たこと、感じたこと、
そしてそこから改めて考えた
「植物と暮らし」のことを綴ってみたいと思います。


 

世界のアロマが
集まる場所へ


AROMA EXPO 2026は、
アロマテラピーだけでなく、


・天然香料
・研究
・教育
・ウェルネス
・香りの産業
・フレグランスやフレーバー素材

まで含めた、国際的なカンファレンス&展示会。

会場には世界各国から研究者、教育者、
企業、香料関連の方々が集まり、
韓国らしい華やかさとエネルギーの中で
開催されていました。


「香り」と一言で言っても、
その世界の広さに圧倒されます。


私たちが日常で楽しむ香りもあれば、
世界市場を動かす原料としての香りもある。


そのスケールの違いを、
目の当たりにしたような感覚です。


aroma expo2026

中国の天然香料ブース。
あまりに長居して香りを嗅いでいたので(笑)

「ここ座っていいよ」と言われ、
お席をお借りして、座りながら。


CO2抽出の花の香りと
豊かな香りに
包まれた展示


 

展示エリアでは、精油だけでなく、
天然原料や香料素材が
数多く並んでいました。


印象的だったのは、
CO2抽出のガーデニア(クチナシ)


花そのものに顔を近づけたような、
やわらかく奥行きのある香り。


また、スパイスや
さまざまな花の素材も並び、


会場全体が本当に
良い香りに包まれていました。


aroma expo2026

「知っているつもり」の
香りが覆された瞬間


 

展示エリアでは、精油や天然原料を
実際に香ることができました。


印象に残ったひとつが、
よもぎのCO2抽出精油


青みを帯びたその精油は、
私の中の「よもぎ」のイメージを
少し更新するような存在でした。


植物をどう抽出するかで、
こんなにも表情が変わるのだと
感じた瞬間でもあります。


また

バレリアン

(写真:うちの畑で育てているバレリアン
お花も可愛い。)

 

実は以前から、バレリアン精油には
「独特で強い香り」という
印象を持っていました。


 

少し苦手かもしれない。
(育てているけれど、
ハーブティー、ちょっと苦手)


 

そんな先入観すらあったのですが、
今回香ったものは、不思議なくらい
心に響いたのです。


香りは、知識だけでは語れない。

産地や抽出、質、組み合わせ、
そしてその時の自分の状態。


同じ植物でも、出会うタイミングによって
受け取り方が変わる。


そんなことを改めて感じました。

 

そしてもうひとつ、
香りそのものだけでなく、


 

植物の背景へ意識が向いた
出会い
もありました。


aroma expo2026

それが、ソマリア産
フランキンセンス
の紹介です。


フランキンセンスという名前は、
私自身レッスンや香りの時間の中でも
長く親しんできた植物。


けれど、その背景にある土地や生産者、
採取のこと、そして産地による
香りの違いに触れたとき、


「知っているつもりの植物も、
まだほんの入口しか知らないのかもしれない」


そんな感覚になりました。

植物は、ただ“香る素材”ではなく、

土地や気候、人の営み、
文化とともに存在している。


そんな当たり前のことを、
改めて感じた時間でもありました。


 

香り日本研究会

そして、展示の中では、
日本の精油を紹介する 香り日本研究会
ブースも賑わっていて、


日本の植物が世界の中で
どのように見られているのかを
感じる機会にもなりました。


aroma expo2026

 

日本の精油を“世界で使われる素材”
にする視点


 

なかでも印象に残ったのが、
長島司先生による、
日本精油についての講演でした。


テーマは、

「日本の精油を、アロマテラピー用途だけでなく、
世界のフレグランスやフレーバー素材として
どう活かしていくか」


というもの。

ヒノキや柚子など、
私たちにとってはとても身近な香り。


けれど、世界の香料市場で使われるためには、

・香りの持続性
・安定性
・コスト
・素材としての扱いやすさ

といった、また別の視点が
必要になります。


たとえばヒノキ精油では、
香りの持続性や安定性を高めるための
研究も紹介されていました。


つまり、

「植物をそのまま味わう」視点と、
「素材として世界に届ける」視点


は少し違うのです。

これは、私自身も、CO2抽出に携わっている中、
身につまされて感じるところでもあります。


 

同じ植物でも、
見つめる角度で
世界が変わる


 

私自身は、植物の個性や揺らぎを、
そのまま暮らしの中で味わうことに
魅力を感じています。


季節や気候、時間帯で少し違う香り。

その植物らしさ。

完全に均一ではないこと。

そこに私は豊かさを感じます。

一方で、今回のEXPOでは、

「植物をどう世界で活かすか」

という視点にも触れました。

同じ植物なのに、

見る角度が変わるだけで、
まったく違う世界が広がる。


それがとても面白かったのです。

 

廃棄される植物を、
どう活かすか


 

もうひとつ印象に残ったのは、

「廃棄される植物や副産物を、どう活かすか」

という問いが、研究やものづくりの前提として
自然に存在していたことでした。


単なるアップサイクルというより、

植物を最後まで見つめ、
その価値を丁寧に掘り起こそうとする姿勢。


さらに、地上の植物だけでなく、
海洋植物に目を向けた研究もあり、


「植物の可能性って、
まだまだ広がっていくんだな」


と感じました。

aroma expo2026

 

世界を知るほど、
半径30センチが
愛おしくなる


 

そして、最後に私の中に残ったのは、


やっぱり、
「半径30センチの暮らし」
でした。

研究や産業、ものづくり。

その積み重ねの先に、
香りがそっと届く場所がある。


それは、

誰かの暮らしであり、
心であり、
日常なのだと思います。

世界で起きていることを知ること。

でも、それを難しいまま
置いておくのではなく、


暮らしに翻訳して届けること。

それが、私が植物や香りを学び、
伝えている理由の
ひとつなのかもしれません。


今回の経験を、またレッスンや発信の中で、
少しずつ皆さんにも
お届けしていけたらと思っています🌿


Instagramでは、開催国・韓国ならではの
おもてなしやパフォーマンスの様子も、
写真や動画で少しご紹介しています。



会場の空気感もあわせて
感じていただけたらうれしいです。


 




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