2026年04月16日
本州最北端の「香りの街」へ:むつ市での試作と気づき
お知らせ

むつ市で、空気の質を香りにする
「蒼息」と「霧白の呼吸」、
そしてオレンジ色のEXTRACT
2026年2月1日
むつで最初にきたのは、
空気というより「白」でした。
新雪が反射して、景色が一度洗い流される。
海の青まで、澄んで見える。
南の光とは違う白が、ここにはありました。

感じたままの視察Memo
1)地酒「関の井」は、
静かに芯が通っていて、力強い。
派手に主張するのではなく、背骨のある味。
むつの空気の“静かな強さ”と、
どこか似ていました。
2)そして美しさの裏側で、
変化の話も聞こえてきました。
環境変化で帆立が以前ほど
獲れなくなってきていること。
ヒバも採りすぎで減ってきていること。
豊かさは“ある”。
でも、守らないと薄くなる。
そんな現実も、ここにはありました。

(海と森ふれあい体験館
シェルフォレスト川内にてお話を
うかがいました。)

3)海側の道沿いで、
車を停めて私は海を覗きに行こうと
大雪の中、歩き出し、
その脇のトイレを通り越して
海を見下ろせる柵に向かって行ったら、
そっちじゃないよと声をかけてくれた方がいて。
(この雪の中で、トイレ利用以外に
車から出るとは想像しがたい状況)
「ちょっと海をのぞきに」
なんて言ったら、「どこからきたの?」を
皮切りにやり取りがあって。
短い会話なのに、あったかい感じ。
人の距離が家族的でやさしい。
そんな印象を受けました。

4)道の駅に行ってみると、
売り場にはヒバの香り製品だけでなく、
菜種油もたくさん並んでいました。
菜の花の産地でもありました。
むつの暮らしには、
“素材をまっすぐ使う”文化があるのだと思いました。

5)それから、綺麗な女性が多い印象。
少し訛りのある話し方が、肩の力が抜けていて可愛い。
町の空気が、言葉の温度まで整えている気がしました。
全身で感じてきたむつの価値を「景色」というよりも、
“空気の質”として残したいと思ったのです。
未利用資源を「香りの資源」に変えるということ
むつ市には、海・森林・温泉・農業が近接して
存在する地理的特性があります。
そして青森ヒバ、ハマナス、トマトの葉など、
香りの原料になり得る素材がある。
いちご農家では、摘花もあるので、
これにも芳香がある。
一方で、それらの多くが堆肥化や廃棄、
または未利用なままである現状もあります。
「捨てているもの」ではなく、
「まだ名前の付いていない価値」だとしたら。
香りという視点で見直すことで、
地域資源は“記憶を運ぶ素材”になれる。
今回のプロジェクトは、
そんな可能性を確かめる取り組みでした。
香りを作るのではなく、「むつの空気」を作る
今回、むつ市をイメージした香りを2つ試作しました。
どちらも、土地の素材(ヒバ、ハマナス、
そしてトマト葉由来の香り)を軸に、
“むつの空気”として再構築する試みです。

1)蒼息(そうそく)— あおい風の通り道
海と森の間を、あおい風が通り抜ける。
海霧の透明感。青い外気。森の清潔感。
風が「冷たさ」ではなく「澄み方」
として身体に入ってきて、呼吸が整う—
むつの“通り道の空気”を香りにするコンセプトです。
通り抜けていくのに、消えない。
残るのは、香りというより“整い”。
むつの風は、そういう形で心に残るのだと思いました。
2)霧白の呼吸(きりしろのこきゅう)
— 湯けむりの町の、透明な深呼吸
温泉 × 森 × 海 の“浄化感”を、
町の空気として表現する。
湯けむりの白い湿度が空気をやわらげ、
森が澄ませ、海風が透明にする。
最後に残るのは、澄んだ余韻と、
かすかな花の気配。
むつの「白」を、
香りで静かに描くコンセプトです。
湯けむりは、入浴する人のためだけのものではなく、
町の輪郭そのものを柔らかくしている・・・
そんなふうに感じた“むつの空気”を、
香りに置き換えてみました。
超臨界CO₂抽出で得られた、
オレンジ色のEXTRACT

今回のプロジェクトでは、
トマトの枝葉を原料に、超臨界CO₂抽出による
香料抽出が行われました。
その結果、外見は緑色の枝葉から、
トマトの葉を抽出したEXTRACTは、
オレンジ色でした。
想像していた“緑”ではなく、
色までが立ち上がったことに、私は驚きました。
このオレンジ色を生かしたくて、
試しにリップクリームにもしてみました。

口元にのせると、香りは強くはないのに、
トマト葉の青さが少しだけ立ち上がる。
その控えめさが逆に、
むつの空気の余白に似ている気がしています。
香りは空気を運び、
色は記憶を定着させる。
むつの未利用資源は、
まだまだ暮らしの中で
新しい価値に変わっていけそうです。
次へ。むつを「香りの街」に育てるために

今回の試作で、むつ市が「香り」を起点に
地域価値を創出できるポテンシャルが高いことは、
手触りを伴って見えてきました。
同時に、地域産業として根付かせるためには、
試作・抽出・乾燥などのインフラ、
そして香りの製造と事業化を担う主体が
必要であることも明確になっています。
香りは目に見えません。
けれど、町の価値を「空気の質」
として持ち帰らせる力があります。
むつの海と森と湯けむりが重なる場所で、
私たちはその可能性に触れました。
むつを、本州最北端の香りの街に。
その芽が、いま静かに動き始めています。
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